
ダイオウイカ
Giant Squid
300–1000m長い触腕を持つ大型のイカです。触腕まで含めた全長と、胴体にあたる外套長では測る部分が大きく違います。マッコウクジラに捕食されることが知られ、以前の「マッコウクジラの天敵」という記述は関係が逆でした。2004年9月30日には、小笠原沖で自然環境下の生きた個体の静止画像が撮影され、翌年に論文として報告されました。

チョウチンアンコウ
Pacific Footballfish
613–1200m頭上の誘引器と丸い体が目立つチョウチンアンコウ科の魚です。標準和名チョウチンアンコウに対応する学名はHimantolophus sagamius。英語ではPacific footballfishと呼ばれます。深海のアンコウ類全体を指す「チョウチンアンコウ類」と、一つの種を指す和名を分けて読む必要があります。

ダイオウグソクムシ
Giant Isopod
200–2500m硬い外骨格を持つ大型の等脚類で、ダンゴムシやフナムシの仲間です。海底の動物の遺骸などを食べます。大きさは近縁種との比較で読み、すべての深海生物が巨大化する例とは扱いません。鳥羽水族館の長期絶食は特定の飼育個体の記録で、種全体に同じ絶食期間を当てはめることはできません。

コウモリダコ
Vampire Squid
600–900m暗い海中の酸素が少ない層で暮らす頭足類です。長い糸状の器官で、沈んでくる有機物の粒子や小さな生物を集めて食べます。英名は「吸血イカ」を意味しますが、血を吸う生物ではありません。少ない酸素と食料を利用する暮らしは、大きな獲物を追うイカとは異なります。

デメニギス
Barreleye Fish
600–800m透明な頭部の内側に筒状の目を持つ深海魚です。顔の前に見える二つの小さな部分は目ではなく嗅覚器官で、本当の目は緑色の部分です。MBARIの研究では、目を上向きから前向きへ回転させられることが明らかになり、2009年に紹介されました。頭上の餌を見つける場面と口へ運ぶ場面で、目の向きが変わります。
メンダコ
Mendako (Opisthoteuthis depressa)
200–1000m日本近海に生息する、平たい体と一対のひれを持つタコです。腕の間に大きな膜があり、吸盤は一列に並び、墨を持ちません。ひれは耳のように見えますが、泳ぐための器官です。英語でDumbo octopusと呼ばれるGrimpoteuthis属とは属が異なり、その仲間の超深海の記録をメンダコの記録として扱うことはできません。

ペリカンウナギ(フクロウナギ)
Gulper Eel
500–3000mフクロウナギEurypharynx pelecanoidesは、大きな袋状の口と細長い尾を持つ魚です。尾の先端には発光器官があります。2018年のNautilusの映像では、口を大きく膨らませてから縮める様子が記録されました。口が広がる映像だけでは、獲物の種類や尾の光を使う目的までは確定できません。
ジャイアントチューブワーム
Giant Tube Worm
1900–3600mRiftia pachyptilaは、東太平洋海膨やガラパゴス周辺の熱水域で見られる管棲の環形動物です。成体には口や消化管がなく、体内の硫黄酸化細菌がつくる有機物から栄養を得ます。これは光を直接使わない化学合成ですが、動物が高温の噴流そのものの中で暮らすという意味ではありません。
テンガンムネエソ
Half-naked Hatchetfish
100–700mテンガンムネエソはArgyropelecus hemigymnusという一種です。横に薄い銀色の体を持つムネエソ類の仲間で、腹側の発光器は下から見た輪郭を目立ちにくくするカウンターイルミネーションと関係します。英語のhatchetfishは複数の種を含むため、仲間全体の最大サイズを本種の数字として使うことはできません。
ホウライエソ
Viperfish
500–2500mホウライエソ属の深海魚で、長い牙と細長い体が特徴です。英語のviperfishもこの属の魚を指します。別の魚群であるムネエソ類と混同しないようにしましょう。以前このページで紹介した透明な歯のナノ構造の研究はAristostomias scintillansを対象とするもので、本種Chauliodus sloaniの実験結果としては扱えません。
キワ・ヒルスタ
Yeti Crab
2200–2400m白い体と、はさみ脚を覆う剛毛が特徴の深海性甲殻類です。南東太平洋の熱水域から記載され、剛毛に付着する細菌が研究されています。「イエティクラブ」と呼ばれる仲間は複数種おり、細菌を育てるように腕を振る行動の報告はKiwa puravidaのものです。K. hirsutaにも同じ行動が確認されたとは扱いません。

ラブカ
Frilled Shark
20–1500m細長い体と6対の鰓裂が特徴のサメです。鰓裂の縁がフリルのように見えることが英名の由来です。古い特徴を残す「生きた化石」と紹介されることがありますが、現在の種が8,000万年間まったく変わらなかったという意味ではありません。
オウムガイ
Nautilus
70–700mオウムガイNautilus pompiliusは、体の外側に巻いた殻を持つ頭足類です。成長に伴い殻の部屋を増やします。多数の触手にはタコのような吸盤がなく、粘着性の分泌物を使って餌をつかみます。古い系統の特徴を持つことと、現在の種が5億年間変わらず存在することは同じではありません。

シーラカンス
Coelacanth
150–700mこのページではアフリカのシーラカンスLatimeria chalumnaeを扱います。1938年に南アフリカ沖で得られた個体が、絶滅したと考えられていた仲間の現存を知らせました。肉質の基部を持つ鰭が特徴です。古い化石の仲間と現在の種を区別し、現生のシーラカンスをそのまま陸上動物の祖先とは扱いません。
リュウグウノツカイ
Slender Oarfish
100–700m銀色の細長い体と赤い背鰭を持つ魚です。日本の標準和名リュウグウノツカイに対応する学名はRegalecus russelii。以前掲載したR. glesneは同じ属の別種でした。2024年に米国La Jollaで見つかった個体は研究者が計測・解剖し、全長3.735mと報告しています。
センジュナマコ
Sea Pig
1142–4000mセンジュナマコScotoplanes globosaは、長く伸びた管足を使って軟らかい海底の上を移動するナマコです。泥の中や表面にある有機物を食べます。海面から届く餌の量や種類が変わると海底の群集も変化するため、どの場所でも同じ数が集まるわけではありません。
スネイルフィッシュ
Mariana Snailfish
6898–7966mマリアナ海溝から得られた標本をもとに2017年に記載されたクサウオ科の魚です。原記載の採集水深は6,898〜7,966m。深い海溝には他のクサウオ類もいるため、8,000m以深で撮影された魚をすべて本種と同定することはできません。約8,000mの圧力は海面の大気圧を含めて約801気圧という概算で、以前の「1,000気圧」という説明は訂正しました。

ミツクリザメ
Goblin Shark
270–1300mへら状に伸びた吻と、前方へ大きく突き出せる顎を持つサメです。2016年の研究では、2個体の5回の捕食動作を映像から解析し、顎が前へ出る最高速度として毎秒3.1mを報告しました。この値は泳ぐ速さではなく、観察された顎の動きの速さです。

メガマウスザメ
Megamouth Shark
5–600m1976年にハワイ沖で見つかった、大きな口を持つサメです。胃内容物からオキアミなどの小さな動物を食べることが分かっています。一方、口をどのように動かして餌を取り込むかには未解明な部分があり、口を開けたまま泳ぐ一種類の方法だけに決めつけられません。

オニキンメ
Fangtooth
500–2100m大きく開く口と長い牙が目立つ、小型の深海魚です。体の側面には水の動きを感じ取る側線があり、暗い海で獲物を探す感覚の一つとして働きます。恐ろしい外見から活発に追い回す魚を想像しがちですが、MBARIは待ち伏せ型の捕食者である可能性を紹介しています。

ダイオウホオズキイカ
Colossal Squid
1000–2200m南極海の大型のイカで、腕や触腕にフック状の構造を持ちます。ニュージーランドのTe Papa博物館が収蔵する個体は全長4.2m、495kgと紹介されています。最大サイズの推定値と、実際に収蔵個体で測った数値を混ぜないため、このページの比較値には同じ個体の記録を使っています。

オンデンザメ
Pacific Sleeper Shark
1–2000mオンデンザメSomniosus pacificusは太平洋に分布する大型のサメです。浅場から深い海まで見られ、魚やイカなどを食べます。成長や成熟は遅いと考えられていますが、近縁のニシオンデンザメの寿命をそのまま本種の寿命に置き換えることはできません。

ヌタウナギ
Inshore Hagfish
10–270mヌタウナギEptatretus burgeriは顎のない魚の仲間で、日本周辺の浅い海にも暮らします。体には粘液を出す孔があります。ヌタウナギ類には深海性の別種もいますが、本種を水深1,500mまでの深海魚とする以前の説明は取り下げました。