海は深さによって劇的に環境が変わります。光が届く明るい表層から、永遠の闘の超深海まで。 スクロールして、深海への旅に出かけましょう。
表層/日光層 Sunlight Zone
太陽の光が十分に届く、海でもっとも賑やかな層です。海洋生物の約90%がこの層に生息しており、植物プランクトンによる光合成が地球の酸素の半分以上を生み出しています。サンゴ礁やクジラ、マグロなど私たちがよく知る海の生き物のほとんどがここで暮らしています。海面近くの水温は場所によって30℃を超えることもあり、生命のエネルギーに満ちた世界です。
中深層/薄光層 Twilight Zone
かすかな光が残るこの層は、昼と夜の境界のような神秘的な世界です。光合成はできませんが、多くの生物がここで日中を過ごし、夜になると餌を求めて表層へと移動します。この「日周鉛直移動」は地球上で最大規模の動物の大移動とされています。ハダカイワシやクラゲ、巨大なイカなどが暮らす、まだまだ謎の多い領域です。
漸深層/深夜層 Midnight Zone
太陽の光が一切届かない漆黒の世界ですが、生物たちが放つ光で満ちています。生物発光は獲物を誘う罠にも、仲間への合図にも、天敵から身を隠すカモフラージュにもなります。チョウチンアンコウやフクロウナギなど、独特の進化を遂げた生物が暮らしています。深海の中でもっとも広い体積を占める層で、探査が進んでいないため未知の種が数多く眠っていると考えられています。
深海層 Abyssal Zone
海底の平坦な深海平原が広がる、極寒・超高圧の世界です。水温はほぼ0〜2℃で安定しており、指先1cm四方に400kg以上の力がかかります。一見すると生命の存在が不可能に思えますが、熱水噴出孔のまわりには化学合成細菌を基盤とした独自の生態系が発達しています。ジャイアントチューブワームやシロウリガイなど、太陽に頼らない生命がここで繁栄しています。
超深海/ハダル帯 Hadal Zone
海溝の底に限られた、地球上でもっとも深い極限環境です。名前はギリシャ神話の冥界の神ハデスに由来します。マリアナ海溝のチャレンジャー海淵は水深10,920mで、エベレスト山をひっくり返して沈めてもまだ2,000m以上余るほどの深さです。それでもヨコエビや微生物が生息しており、生命の驚くべき適応力を証明しています。
深海トリビア
深海(水深200m以深)は地球の海の約95%を占めますが、人類が探査したのはわずか5%未満です。
深海の水圧は水深10mごとに約1気圧ずつ増加します。マリアナ海溝の底では約1,100気圧に達します。
深海に住む生物の約90%が生物発光(バイオルミネセンス)の能力を持っています。
深海の平均水温は約2〜4℃ですが、熱水噴出孔の周辺では400℃を超える熱水が噴き出しています。
毎晩、数十億トンの生物が深海と表層の間を往復する「日周鉛直移動」は、地球最大の動物の大移動です。
マリンスノー(上層から降り注ぐ有機物の粒子)は、深海の多くの生物にとって唯一の食料源です。