植物プランクトンと酸素:表層の光合成は深海をどう支えるか

深海の食べ物をたどると、海面近くの光合成に行き着くことがあります。表層で育つ植物プランクトンは酸素を生み、生物の遺骸や排泄物の一部は深く沈みます。ただし、「酸素をどれだけ作るか」と「今の大気にどれだけ残っているか」は別の問いです。
「約半分」は酸素の生産量についての推定
NOAAの解説では、地球の酸素生産の約半分が海に由来し、その多くを光合成するプランクトンが担うとしています。同時に、海では呼吸や有機物の分解によって、ほぼ同じ量の酸素が消費されます。
この割合を、人が今吸った一呼吸の由来にそのまま当てはめることはできません。大気には長い地質時代を通じて蓄積した酸素があり、現在の生産量だけで説明できないためです。
光合成できる深さと、光が届く深さ
海へ潜るほど日光は弱まります。NOAAの深度区分では、おおむね200mまでが有光層、200〜1,000mが薄暮層、1,000m以深が無光層です。境界は目安で、水の透明度などによって変わります。
200mを越えた瞬間にすべての光が消えるわけではありません。光合成には足りなくても、生物が利用できる弱い光が残る海域があります。
海の色から読み取れるもの
植物プランクトンのクロロフィルは光を吸収し、海の色に影響します。NASAの解説は、この性質を利用して衛星から植物プランクトンを調べる方法を紹介しています。
海の色は観測の手掛かりですが、写真の青さだけで海全体の健康状態や深海の酸素量を決めることはできません。表層の光の情報と、深い場所で測る水質は分けて読む必要があります。
表層から深海へ降る食べ物
生物の遺骸や排泄物などが集まった粒子は、マリンスノーとして沈み、途中や海底で生物に利用されます。表層で作られたものがすべて海底へ届くわけではなく、沈む途中にも食べられ、分解されます。
深海の映像で漂う白い粒を見るときは、表層と海底をつなぐ物質の移動として眺めてみてください。光合成は明るい海で行われても、その影響は暗い海にも届きます。
2026年9月29日訂正:酸素の生産量と大気中の蓄積量、200m以深の光の説明を訂正。根拠を示せない年間CO2吸収量と、赤潮・青潮を同じ現象とする記述を撤回しました。
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よくある質問
- 海は地球の酸素の半分を作っていますか?
- 酸素の生産量の約半分が海に由来すると推定されています。海での消費もあるため、大気に毎年その分が純増するという意味ではありません。
- 水深200mを越えると完全な暗闇ですか?
- いいえ。200〜1,000mは一般に薄暮層とされます。日光が届かない無光層は、おおむね1,000m以深です。
出典
- NOAA:海が作る酸素: 酸素生産、海での消費、大気への長期蓄積の区別。
- NOAA:光が届く深さ: 有光層・薄暮層・無光層の目安。
- NASA:植物プランクトン: クロロフィルと衛星による観測。
- NOAA:マリンスノー: 沈降する有機物と深海の栄養供給。