SUBSEA DEEP OCEAN EXPLORER
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35.6°N 139.7°E
DEPTH
0m
SURFACE
深海

Glossary 用語集

深海の専門用語を日本語でわかりやすく解説

34 用語 4 カテゴリ
すべて 生物地質探査海洋学
探査

ROV

アールオーブイ

Remotely Operated Vehicle (遠隔操作無人探査機) の略。母船からケーブルで接続され、遠隔操作で深海の映像撮影やサンプル採取を行う。有人潜水艇より安全で長時間の作業が可能。「かいこう」や「ハイパードルフィン」など、日本の海洋研究開発機構 (JAMSTEC) も多数保有。

生物

アンコウ類

アンコウるい

頭部の突起 (イリシウム) の先端にある発光器で獲物を誘引する深海魚の総称。雄が雌に寄生的に融合する極端な性的二形でも知られる。深海の暗黒環境における生物発光の代表的な利用例であり、深海の象徴的な生物の一つ。

探査

AUV

エーユーブイ

Autonomous Underwater Vehicle (自律型無人潜水機) の略。あらかじめプログラムされた経路を自律的に航行し、海底地形測量やデータ収集を行う。ROV と異なりケーブル接続が不要で広範囲の調査が可能。近年は AI を搭載した高度な自律判断ができるモデルも開発されている。

海洋学

塩分躍層

えんぶんやくそう

水深方向に塩分濃度が急変する層。河川の流入が多い海域や極域の融氷期に顕著に形成される。水温躍層とともに海水の密度成層を決定し、深層への物質輸送や海洋循環のパターンに大きな影響を与える。北極海では特に発達した塩分躍層が見られる。

地質

海溝

かいこう

プレートの沈み込み帯に形成される細長い海底の溝状地形。水深 6,000m 以深に達し、地球上で最も深い場所を含む。太平洋を取り囲む環太平洋火山帯に多く分布し、マリアナ海溝、日本海溝、フィリピン海溝などが代表的。地震や津波の発生源としても重要。

地質

海底拡大

かいていかくだい

中央海嶺においてマグマの湧出により新しい海洋地殻が形成され、左右に広がっていく現象。プレートテクトニクスの根幹をなすプロセスであり、1960 年代に実証された。拡大速度は年間数 cm で、大西洋は年々広がり続けている。

探査

海底地形測量

かいていちけいそくりょう

海底の地形を測定・地図化する科学技術。マルチビームソナー、衛星高度計、LIDAR などを用いる。2023 年時点で高解像度の測量が完了している海底は全体の約 25% に過ぎず、「Seabed 2030」プロジェクトにより 2030 年までの全海底マッピング完了を目指している。

生物

化学合成

かがくごうせい

太陽光ではなく硫化水素やメタンなどの化学物質からエネルギーを得て有機物を合成する過程。熱水噴出孔や冷湧水域の周囲に独自の生態系を成立させる基盤であり、光合成に依存しない生命の存在を証明した。深海生物学における最も重要な発見の一つ。

生物

共生

きょうせい

異なる種の生物が密接な関係を築いて生活する現象。深海の熱水噴出孔周辺ではチューブワームやシロウリガイが体内に化学合成細菌を共生させ、栄養を得ている。この化学合成共生は深海生態系の維持に不可欠な仕組みである。

生物

好圧性生物

こうあつせいせいぶつ

高圧環境を好む、あるいは高圧環境でのみ生存できる微生物の総称。マリアナ海溝の最深部でも好圧性細菌が発見されており、1,000 気圧を超える極限環境でも生命が存在することを示している。バイオテクノロジーや宇宙生物学の観点からも注目されている。

海洋学

酸素極小層

さんそきょくしょうそう

水深 200〜1,500m 付近に形成される溶存酸素濃度が極端に低い海水層。表層から沈降する有機物が分解される際に酸素が消費されることで形成される。OMZ とも呼ばれ、この層に適応した独特の生物群集が存在する。気候変動により世界的に拡大傾向にあることが懸念されている。

地質

沈み込み帯

しずみこみたい

海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む境界領域。海溝が形成され、巨大地震や火山活動の原因となる。日本列島は複数の沈み込み帯に囲まれており、深海研究と地震研究の両面で重要な場所。海底下の堆積物や岩石の調査が活発に行われている。

探査

JAMSTEC

ジャムステック

海洋研究開発機構 (Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology) の略。日本の深海研究を牽引する国立研究開発法人。「しんかい6500」「ちきゅう」などの探査船・掘削船を運用し、深海生物学・海底地質学・地球科学の幅広い分野で世界的な研究成果を上げている。

生物

深海巨大症

しんかいきょだいしょう

深海に生息する生物が浅海の近縁種に比べて巨大化する傾向のこと。ダイオウグソクムシやタカアシガニなどが代表例。低水温による代謝の低下、捕食圧の減少、高水圧への適応などが原因として考えられているが、明確なメカニズムは解明されていない。

地質

深海平原

しんかいへいげん

水深 3,000〜6,000m に広がる平坦な海底地形。地球表面の約 50% を覆い、地球上で最も広大かつ平坦な地形である。堆積物が厚く積もることで起伏が埋められ、極めてなだらかな地形が形成される。生物の密度は低いが、独自の底生生物群集が存在する。

探査

しんかい6500

しんかいろくせんごひゃく

日本の海洋研究開発機構 (JAMSTEC) が運用する有人潜水調査船。1989 年に完成し、水深 6,500m まで潜航可能。乗員 3 名 (パイロット 2 名、研究者 1 名) で、深海底の直接観察やサンプル採取を行う。世界中の深海域で 1,500 回以上の潜航実績を持つ。

海洋学

深層海流

しんそうかいりゅう

水深数百 m 以深を流れる海流。主に海水の温度差と塩分濃度差が生み出す密度差によって駆動される (熱塩循環)。北大西洋で冷却された高密度の海水が沈み込み、全海洋を巡る「海洋コンベヤーベルト」を形成する。地球の気候調節に極めて重要な役割を果たす。

海洋学

水圧

すいあつ

水の重さによって生じる圧力。水深が 10m 増すごとに約 1 気圧ずつ上昇し、マリアナ海溝の最深部では約 1,100 気圧に達する。深海生物はこの極端な高圧環境に適応した特殊なタンパク質や細胞膜を持っている。潜水機の設計においても最大の技術的課題となる。

海洋学

水温躍層

すいおんやくそう

水深の増加に伴い水温が急激に低下する層。表層の温かい水と深層の冷たい水の境界に形成される。一般に水深 200〜1,000m に位置し、この層を境に海洋の物理的・化学的・生物学的性質が大きく変わる。深海への熱エネルギーの伝達を制限する重要な構造。

生物

生物発光

せいぶつはっこう

生物が化学反応によって自ら光を放つ現象。深海では太陽光が届かないため、獲物を誘引する・捕食者を混乱させる・仲間と交信するなど多様な目的で利用される。深海生物の約 76% が何らかの発光能力を持つとされている。

探査

ソナー

ソナー

音波を発射しその反射を分析して水中の物体や地形を探知する技術。マルチビームソナーは海底地形を高精度で三次元マッピングでき、深海探査に不可欠。サイドスキャンソナーは海底面の微細な構造や沈没船の探索にも使われる。

探査

チャレンジャー海淵

チャレンジャーかいえん

マリアナ海溝の最深部で、地球上の海洋で最も深い地点。水深約 10,920m。1960 年のトリエステ号、2012 年のジェームズ・キャメロン監督の単独潜航、2019 年のヴィクター・ヴェスコヴォの潜航など、人類の深海挑戦の象徴的な場所。

地質

中央海嶺

ちゅうおうかいれい

プレートの発散境界に沿って海底にそびえる全長約 65,000km の山脈。マグマが湧き上がって新しい海洋地殻が生成される場所であり、地球最大の火山活動の場。大西洋中央海嶺、東太平洋海膨などが代表的で、熱水噴出孔が多く分布する。

生物

チューブワーム

チューブワーム

熱水噴出孔や冷湧水域に生息する管状の環形動物。体長 2m を超えるものもいる。消化器官を持たず、体内に共生する化学合成細菌から栄養を得ている。1977 年にガラパゴス沖の熱水噴出孔で発見され、深海生物学に革命を起こした。

生物

超深海生物

ちょうしんかいせいぶつ

水深 6,000m 以深の超深海帯 (ハダルゾーン) に生息する生物の総称。ヨコエビ類、ナマコ類、多毛類などが代表的で、極限的な高水圧・低温・暗黒環境に適応している。近年の探査技術の発達により新種の発見が相次いでおり、地球上で最も未知の生物相の一つ。

地質

熱水噴出孔

ねっすいふんしゅつこう

海底の割れ目から高温の熱水が噴出する地点。海水がマグマで加熱され、硫化水素や金属イオンを含んだ 300℃ 以上の熱水となって噴き出す。周囲には化学合成を基盤とした独自の生態系が形成され、生命の起源に関する研究でも重要視されている。

探査

バチスカーフ

バチスカーフ

深海調査用の自己推進式潜水艇。1960 年にオーギュスト・ピカールの設計したトリエステ号がマリアナ海溝チャレンジャー海淵の最深部 (水深約 10,916m) に到達し、人類初の最深部有人潜航を達成した。ガソリンの浮力と鉄球のバラストで浮沈を制御する独特の仕組みを持つ。

地質

ブラックスモーカー

ブラックスモーカー

金属硫化物を多量に含む高温 (最高約 400℃) の熱水を噴出する煙突状の構造物。噴出した金属イオンが海水で冷やされて黒い煙のように見えることから名付けられた。周囲に金・銀・銅・亜鉛などの鉱物が沈殿し、海底熱水鉱床を形成する。

探査

マリアナ海溝

マリアナかいこう

西太平洋のマリアナ諸島東方に位置する世界最深の海溝。全長約 2,550km、最深部のチャレンジャー海淵は水深約 10,920m に達する。太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に沈み込むことで形成された。深海探査と極限環境生物研究の最重要フィールドである。

海洋学

マリンスノー

マリンスノー

表層で生産された有機物の粒子が深海に向かってゆっくりと沈降していく現象。プランクトンの遺骸、糞粒、粘液などが凝集して雪のように降り注ぐ様子から名付けられた。深海底の生物にとって最も重要な栄養源であり、地球の炭素循環において深海への炭素輸送を担っている。

地質

メタンハイドレート

メタンハイドレート

メタン分子が水分子の格子構造に閉じ込められた氷状の固体物質。低温・高圧の深海底の堆積物中に大量に存在する。「燃える氷」とも呼ばれ、次世代エネルギー資源として注目される一方、大量放出による急激な温暖化 (クラスレートガン仮説) のリスクも指摘されている。

海洋学

有光層

ゆうこうそう

太陽光が到達し光合成が可能な海洋の表層域。一般に水深 0〜200m の範囲。これより深い層は無光層 (アフォティックゾーン) と呼ばれ、光合成による一次生産が行われない。深海生物は有光層から沈降するデトリタス (有機物粒子) に栄養を依存するか、化学合成に頼っている。

探査

有人潜水調査船

ゆうじんせんすいちょうさせん

研究者が直接深海に潜って観察・調査を行うための小型潜水艇。日本の「しんかい6500」は水深 6,500m まで潜航可能で、世界で最も深く潜れる有人潜水調査船の一つ。中国の「奮闘者号」は 2020 年にマリアナ海溝で水深 10,909m に到達した。

地質

冷湧水

れいゆうすい

海底面からメタンや硫化水素を含む低温の流体がしみ出す現象、またはその場所。熱水噴出孔と異なり温度は低いが、同様に化学合成生物群集が形成される。メタンハイドレートの分布とも関連が深く、メタンを酸化する微生物マットやシロウリガイの群集が特徴的。