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深海

次世代深海探査機の開発が加速 — 水深1万m級の自律型AUVが実現へ

次世代深海探査機の開発が加速 — 水深1万m級の自律型AUVが実現へ

海洋研究開発機構(JAMSTEC)がトヨタ自動車と共同で開発を進めている次世代深海探査機「しんかいAUV(Autonomous Underwater Vehicle)」の概要が明らかになりました。水深11,000m級の全海洋対応を目標とし、AI技術による完全自律航行能力を備える計画です。

従来の探査機との違い

現在の深海探査は、有人潜水調査船「しんかい6500」(最大潜航深度6,500m)や遠隔操作型無人探査機(ROV)「かいこう」(最大深度7,000m)が中心です。しかし、有人潜水船は乗員の安全確保のための制約が大きく、ROVは母船からのケーブル接続が必要で行動範囲が限られます。新型AUVはこれらの制約から解放され、より広範囲な調査が可能になります。

AIによる自律航行

最大の技術革新は、深層学習(ディープラーニング)を活用した自律航行システムです。海底地形をリアルタイムで認識し、障害物を回避しながら最適な調査ルートを自動で計画します。また、興味深い地形や生物を発見すると、自動的に接近して詳細な観察・撮影を行う「サイエンス・モード」も搭載される予定です。

トヨタの耐圧技術

トヨタ自動車は、燃料電池車で培った高圧水素タンクの設計・製造技術を応用し、AUVの耐圧容器の開発を担当しています。水深11,000mでは約1,100気圧の水圧がかかりますが、軽量でありながら極限の圧力に耐える新素材の耐圧殻を実現します。また、トヨタの生産技術を活用して、従来の深海探査機よりもコストを大幅に削減することを目指しています。

広域海底マッピング

新型AUVには、合成開口ソナー(SAS)と高解像度マルチビーム音響測深機が搭載されます。1回の潜航で数十平方キロメートルの海底を1m解像度でマッピングできる能力を持ち、深海底の地形図作成を飛躍的に加速させます。現在、海底の高解像度地図が作られている面積は全海底のわずか24%程度であり、この探査機が本格稼働すれば、深海の「地図の空白」を大幅に埋めることが期待されています。

2028年の実用化を目指す

JAMSTECは2027年に水深6,000mでの実証試験を行い、2028年の実用化を目指しています。将来的には複数のAUVが連携して広域調査を行う「群制御」技術の導入も計画されており、深海探査のパラダイムを大きく変える可能性があります。

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出典

深海探査機AUVJAMSTECトヨタ自律航行AI