SUBSEA DEEP OCEAN EXPLORER
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35.6°N 139.7°E
DEPTH
0m
SURFACE
深海

南極氷下に100kmの岩盤?深海探査が明かす新事実

南極氷下に100kmの岩盤?深海探査が明かす新事実
南極の氷床の下、約7kmの厚さを持つ巨大な花崗岩の塊が眠っている。その幅は実に100km。この驚くべき発見は、近年の深海・極地探査技術がいかに地球の未知の姿を暴きつつあるかを示す一例に過ぎない。地質学的な大発見から、奇妙な深海生物、目に見えない化学物質の働きまで、海の最深部から次々と驚くべき報告が届いている。 ## 氷河の上にあった謎のピンク色の岩 事の発端は、南極のハドソン山脈の氷の上に、場違いに点在するピンク色の花崗岩だった。なぜ、周囲の地質とは異なる岩石がそこにあるのか。この謎は科学者たちを長年悩ませてきたが、最新の探査技術がその答えを導き出した。 研究チームは、航空機を用いた重力探査によって、パインアイランド氷河の下に隠された巨大な質量を検出。一方で、ピンク色の岩石を年代測定した結果、それらが恐竜が闊歩していたジュラ紀のものであると特定した。これらの情報を組み合わせることで、氷床の下に幅約100km、厚さ7kmにも及ぶ巨大な花崗岩の塊、すなわち「バソリス(底盤)」が存在することが突き止められたのだ。氷河の流れが、この古代の岩盤の頂上部を削り取り、山の上まで運んだのである。 ## 水深1,230mの「恐竜」と新種の生物 舞台は変わってカリフォルニア沖、モントレー湾。水深1,230mの海底にそびえる「サーリッジ」と呼ばれる海山だ。ここでモントレー湾水族館研究所(MBARI)の小型ROV(遠隔操作型無人探査機)が捉えたのは、高さ約10m、長さ約25mにも及ぶ巨大な岩石層だった。その威容から、パイロットは「ビッグダイナソーロック」と名付けたという。 人が潜ることのできない暗黒の世界を、高精細カメラとマニピュレーターで探る海のロボット、それがROVだ。MBARIの研究チームは、このROVを駆使して定期的に同じ場所を訪れ、サンゴなどに覆われた岩石層の生態系が時間と共にどう変化するかを追跡している。さらに同研究所は、別のROV「ドック・リケッツ」を用いて新種の深海魚スネイルフィッシュを発見するなど、ROV探査は深海生物学のフロンティアを押し広げ続けている。 ## 生命を支える見えざる「化学通貨」 深海探査の目は、巨大な地形や奇妙な生物だけを追っているわけではない。ウッズホール海洋研究所(WHOI)の研究チームは、海洋の炭素循環を駆動する、目に見えない「化学通貨」の存在を突き止めた。 主役は、海の表層に無数に存在する植物プランクトン。彼らが光合成や代謝の過程で放出する多様な分子が、光の届かない深海に住む微生物たちの重要なエネルギー源、すなわち「燃料」となっていることが明らかになったのだ。この分子のやり取りが、大気中の二酸化炭素を海洋に取り込み、深海へと隔離する「生物ポンプ」と呼ばれる巨大な炭素循環システムの効率を左右している。地球の気候を理解する上で、この微小な世界の解明は決定的に重要だ。 ## 探査技術が拓く、地球理解の新たな地平 南極の氷底から深海の微生物まで、これらの発見をつなぐ共通項は、探査技術の飛躍的な進歩である。重力探査、高性能なROV、そして微量な化学物質を検出する分析技術。それらが、かつては想像の域を出なかった地球の姿を、具体的なデータとして私たちの目の前に描き出している。 一つの発見は、また新たな謎を生む。南極の巨大岩盤は、大陸の成り立ちについて何を語るのか。深海の生物群集は、気候変動にどう応答するのか。探査技術という新たな「目」を手に入れた人類の探求は、まだ始まったばかりだ。光の届かない深淵で、地球の過去と未来を解き明かす鍵が、今まさに発見されようとしているのかもしれない。

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出典

  • ScienceDaily: Pink granite boulders sitting mysteriously atop Antarctica’s Hudson Mountains have led scientists to a stunning discovery: a hidden granite mass buried beneath Pine Island Glacier, stretching nearly 100 km wide and 7 km thick.
  • MBARI: We deployed the vehicle at a striking rock formation on the northern side of Sur Ridge, approximately 1,230 meters (4,035 feet) below the surface.
  • MBARI: Approximately 25 meters (82 feet) long, almost 10 meters (33 feet) tall, and covered in large corals, its size and scale impressed MiniROV pilot Frank Flores, who nicknamed it “Big Dinosaur Rock.”
  • MBARI: A new species of deep-sea snailfish discovered with MBARI’s remotely operated vehicle Doc Ricketts went viral...
  • WHOI: ...a diverse set of molecules released by marine phytoplankton that fuel microbial life and help drive Earth’s carbon cycle
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